クーリングオフは8日まで?
消費者を保護するための制度にクーリングオフがあります。一度契約をした後、一定期間の間であればその申し込みの撤回や解除ができるということはご存じの方が多いのではないかと思います。また、ご存じの方は「8日間まではできる」と記憶されている方も多いのではないかと思います。
しかし、8日間を過ぎてしまった場合にはどうすれば良いのでしょうか。
クーリングオフのできる期間は8日間とは限らない
まず、クーリングオフの制度自体はその取引の種類により、それぞれに根拠となる特定商取引法やその商品固有の法律によって規定されています。
それを確認していくと、多くは8日間となっていますが、取引や契約の種類によってさらに長い期間が設定されているものも多くあります。
まずは法令上定められている期間を確認してみましょう。中には10日間、14日間、20日間のものもあります。主なものは以下の通りです。
ポイント!
取引や契約の種類によって期間が異なります
クーリングオフの起算日をいつと考えるか
クーリングオフの期間を確認したところで、次に確認しておきたいのが起算日です。
ほとんどの取引において、契約書面の受領した日を基準とします。書面もなしに契約している場合には、クーリングオフの起算日とされることは原則ないと考えて良いでしょう。
注意しなければならないのは、契約書面の受領日を1日目とすることです。
一般的な法律行為などで日数を計算する際、民法140条の初日不算入の原則によって初日をカウントしないことが多いのですが、クーリングオフの場合には当てはまりません。
ポイント!
契約書面を受け取った日を1日目と考えます
契約に不備がないか
契約書面を受け取っている場合には、クーリングオフについての記載を確認します。不備があるものは当然として書面の要件を満たしていないと考えることができます。
さらに、当然のことですがクーリングオフの妨害行為などがされていないという要件もあります。具体的には、クーリングオフできないなどと説明したり、できないような圧力をかけるなどです。このような行為が行われた場合には、期間は延長されます。
また、例えクーリングオフの期間が過ぎていたとしても契約のプロセスに問題がある場合には、消費者契約法などにより、かなり長期間にわたって契約の解除が可能な場合があります。
ポイント!
契約に問題があるようならクーリングオフによらない措置もあります
クーリングオフの意思表示をした日が期間内か
さらに、クーリングオフの意思表示はやはり書面が必要です。しかし、相手方への到達は考える必要はありません。書面を発信した日が期間内であればクーリングオフは可能とされています。
ポイント!
クーリングオフの書面による意思表明は発信主義です
クーリングオフの期間を過ぎてしまったら
目的は申し込みの撤回、契約の解除にあるので、もし契約の手続きも正しく行われており、クーリングオフの期間を過ぎてしまっていたら、クーリングオフによらない契約の解除を検討しましょう。
また、クーリングオフの期間を経過した後も、その企業独自の取り組みとして契約解除や料金負担についての規定を設けている場合もあります。
しかし、既に支払ってしまった料金は戻ってこない場合も多くあるため、契約先にはできるだけ早めにその意思を伝え、相談しましょう。
ポイント!
通常の期間を過ぎてしまった場合、まずは契約先に相談しましょう
クーリングオフで迷った時には専門機関に相談
クーリングオフに該当する契約なのか、契約自体に疑問を感じる場合など、自分で判断できない場合も多いのではないかと思います。そのような時に相談できる専門機関として、国民生活センターや消費生活センターがあります。消費者ホットライン(番号188)による電話相談も行われています。
もちろん、法的トラブルの相談機関である法テラス(日本司法支援センター)や、一般の法律事務所などでも構いません。
ポイント!
迷った時、トラブルになりそうな時は専門家に相談しましょう
・C向けサイト(一般消費者向け記事)
購入してから8日以上経ってしまった商品のクーリングオフについて(参考:https://mato.ma/column/1743)
学習塾のクーリングオフ・中途解約の方法とは?(参考:http://www.coolingoff-kuroda.com/jyukuyouken.html)
5万円超の契約をクーリングオフするまでのステップ〇