通信教育のクーリングオフ できるケースとできないケース

子供の自宅学習用に申し込んだ通信教育を解約したい、資格取得のために契約した通信講座をキャンセルしたいなど、クーリングオフはできないものかと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

今回は通信教育のクーリングオフについて、できるケースとできないケースを解説していきます。通信教育にはクーリングオフできるものもありますので、諦めてしまう前にぜひこの記事を読んで、確認してみてください。

クーリングオフ制度とは

まず、クーリングオフとは、突然の訪問販売や電話勧誘販売など不意打ち的な取引による契約や、マルチ商法などの複雑な取引による契約において、一旦契約した後、消費者に一定期間再考する時間を与え、無条件で一方的に消費者から契約を解除することを認めた制度です。

「クーリングオフ」という字面からも、「頭を冷やす・考え直す」という意味合いをイメージできるのではないでしょうか。

契約のなんでもかんでも、ということではなく、不意打ち性の高い取引(じっくり考える間もなく、してしまった取引)が対象です。じっくりと考えてから購入できる通信販売は、クーリングオフ制度の対象外です。

ポイント!
特定商取引に関する法律で定められている一部の取引において、クーリングオフの制度が認められています。
定められた期間内であれば、無条件に、一方的に消費者から契約を解除できます。

通信教育のクーリングオフ

上記のとおり、通信販売では原則、クーリングオフの対象外ですが、通信教育ではクーリングオフができる場合があります。

では、どういった場合にクーリングオフができるのか、以下で解説していきます。

「特定継続的役務提供」はクーリングオフ可能

特定商取引に関する法律において、「特定継続的役務提供」という取引に分類されるものであれば、クーリングオフ制度の適用があります。

「特定継続的役務提供」に分類されるかどうかは、提供される教育の内容によります。

具体的には、語学学習のオンラインレッスンなどは、クーリングオフできる可能性があります。

しかし、最初に教材が送られてくるだけの通信教育は、継続的にサービスの提供がなされないため、原則として「特定継続的役務提供」に分類されず、クーリングオフ制度の対象外となってしまいます。

例えば、一定期間にわたり、カリキュラムに沿って教材が発送され、答案添削や質問受付などの指導やサポートが付いているものであれば、「特定継続的役務提供」に分類され、クーリングオフできる余地はあります。

しかし、契約後のサポートがないものについては、通信販売で教材を購入したのと同じ状況ですので、基本的にはクーリングオフはできなくなります。

ポイント!
購入後のサポートが付いている継続的なサービスの提供(特定継続的役務提供)がなされる通信教育であればクーリングオフできる可能性があります。
「特定継続的役務提供」のクーリングオフ期間は8日間です。

クーリングオフ制度の対象外でも可能なケース

特定商取引に関する法律に定められたクーリングオフ制度では対象外でも、通信教育事業者が自らクーリングオフ制度やそれに類似した制度を設けている場合があります。

全額返金されるものや、未受講の分については返金されるものなど、事業者によって内容はまちまちですが、最近は、特に大手の通信教育事業者で独自のクーリングオフ制度を設けていることが多いです。

高額を捨ててしまったと諦めてしまう前に、今一度契約内容を確認してみてください。

ポイント!
通信教育事業者が独自に設けているクーリングオフ制度がないか、契約書を確認してみましょう。

通信教育の解約における注意点

通信教育事業者が独自に設けるクーリングオフ制度とは別に、条件によっては解約料を請求するといったケースもあります。解約を考える際には、契約内容を改めて確認するよう注意しましょう。

ポイント!
一概に通信教育といっても様々な状況がありますので、ご自身で判断できない場合は、消費生活センターや専門家に相談しましょう。