クーリングオフの対象となる例外ケースとは

特定商取引法(特定商取引に関する法律)では、クーリングオフが認められています。

クーリングオフとは、突然の訪問販売や電話勧誘販売など不意打ち的な取引による契約や、マルチ商法などの複雑な取引による契約において、一旦契約した後、消費者に一定期間再考する時間を与え、無条件で一方的に消費者から契約を解除できるものです。

クーリングオフは契約のすべてが対象となるものではありません。原則として、不意打ち性の高い取引(じっくり考える間もなく、してしまった取引)等が対象となり、じっくり考えてから購入できる通信販売や、自らが契約することを希望して事業者を自宅に呼んで行う取引などは対象外です。

ところが、クーリングオフ対象外の取引であっても、例外的に対象と認められるケースもあります。当記事では、クーリングオフの対象となる例外ケースを紹介します。

クーリングオフの対象となる取引

特定商取引法などでは、クーリングオフの対象となる取引・契約として、次のようなものを定めています。

<クーリングオフの対象となる取引・契約>
・訪問販売や訪問購入、電話勧誘販売などの店舗外での取引
・マルチ商法やネットワークビジネスなどの連鎖販売取引
・語学教室やエステティックなど高価な対価の特定継続的役務提供
・内職商法やモニター商法などの業務提供誘引販売取引
・預託取引(3か月以上の特定商品、施設利用権の預託)
・宅地建物売買契約(店舗外取引のみ)
・金融商品取引業者との投資顧問契約
・生命保険や医療保険などの保険契約(1年超の契約のみ)
・ゴルフ会員権契約(新規販売で50万円以上の契約のみ)
・冠婚葬祭互助会契約(入会契約)

クーリングオフの対象となる例外ケース

クーリングオフの対象外となる取引のなかには、例外的にクーリングオフの対象となるケースがあります。下表でまとめて紹介します。

 

クーリングオフ対象外の取引

例外的にクーリングオフの対象となるもの

店舗での取引

キャッチセールス・アポイントセールスの場合

語学教室やエステなどの特定継続的役務提供の場合

通信販売

事業者が独自にクーリングオフ制度を設けている場合

化粧品などの指定消耗品

単品販売可能なセット商品(未使用分についてのみ)

訪問販売、電話勧誘販売のうち

3,000円未満の現金取引

商品やサービスの未提供または、代金の全額が未払いの場合

特定継続的役務提供のうち

短期又は50,000円以下の契約

キャッチセールスや訪問販売、店舗外取引などの場合

自動車や家具、有価証券などの

適用除外品

マルチ商法やネットワークビジネスなどの場合

クーリングオフ期間が過ぎたもの

契約書面不交付や契約書面不備などの場合

クーリングオフ妨害があった場合

 

ポイント!
上記以外にも法律上では細かく指定されています。クーリングオフできる取引かどうかご自身で判断できない場合には、消費生活センターや専門家に相談しましょう。

クーリングオフ期間が過ぎたもの

上表の最後にあるクーリングオフ期間が過ぎたものについては、契約書面の不交付や記載不備などの法定のルールを満たしていなければ、クーリングオフができることがあります。また、事業者によるクーリングオフ妨害があった場合にもクーリングオフは可能です。

「クーリングオフが延長されるケース」の記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。