葬儀でかさむ出費は補助金で補う~葬祭費、埋葬料の申請~

2019-11-13

お葬式を行うと急な出費がかさみますよね。

実はそのうちの一部を補助してくれる葬祭補助金という制度が用意されているのですが、その申請方法や存在自体を知らない方もいるかと思います。

今回はそういった方たちに向けて制度の内容や申請方法をご紹介します。

葬祭費と埋葬料の違い

支給される名称として大きく分けて「葬祭費」と「埋葬料」の2種類がありますが、それぞれの違いは以下の通りです。

葬祭費とは

国民健康保険法58条に従って、故人が国民健康保険の被保険者の場合に支給されるもので、その扶養家族や故人が後期高齢者医療制度の加入者の場合にも支給されます。

細かい名称は市区町村ごとに定められており、支給額も1万円~7万円と地域によって差があるため、故人の住まいがある自治体に確認が必要です。

埋葬料とは

健康保険法100条に基づき、故人が健康保険の被保険者(国民健康保険を除く)もしくは協会けんぽの加入者だった場合に5万円が支給されます(被保険者の扶養家族の葬儀を行った際は、同額を家族埋葬料として支給)。

亡くなった時点で資格を喪失していた場合でも、喪失から3か月以内であれば支給対象となるため、あきらめずに資格を喪失した期日は必ず確認しましょう。

申請方法

葬祭費もしくは埋葬料の申請を行う際は、以下の要件を満たす必要があります。

・被保険者に生計を維持されていた家族
・埋葬を行った本人

申請者は原則として生計を共にしていた家族となりますが、被保険者に家族がいないこともあります。

その場合は例外的に埋葬を行ったのが他人であっても、「埋葬費」として埋葬料の範囲内で埋葬に要した費用(霊柩車代や火葬代など)の支給が認められています。

続いて具体的な申請方法について見ていきましょう。

葬祭費の申請と期限

下記の書類などを揃えて、住まいのある市区町村役場にします。

・国民健康保険葬祭費支給申請書
・国民健康保険証
・葬儀を行った事実とその金額が分かるもの(領収書など)
・預金通帳(銀行振込になる場合があるため)
・申請者の印鑑

国民健康保険の資格喪失後は健康保険証の返却に役場に出向く必要があるため、その際にまとめて手続きを済ませてしまうと効率的です。

申請は「葬儀の日から2年以内(一部の自治体では、葬儀の日の翌日から2年以内)」と期限が定められているため、速やかに手続きを行いましょう。

埋葬料の申請と期限

下記の書類などを揃えて、健康保険組合(もしくは社会保険事務所)に提出します。

・健康保険埋葬料(費)支給申請書
・健康保険証
・埋葬許可証(もしくは死亡診断書)
・葬儀を行った事実とその金額が分かるもの(領収書など)

葬祭費と異なり、申請期限は『死亡日の翌日から2年以内』となっていますが、いずれにしても早めの手続きが大切になります。(埋葬費として請求する場合は『埋葬日の翌日から2年以内』が期限となります。)

その他の葬祭補助金

公立の教師などの公務員が加入している共済組合でも5万円の埋葬料もしくは家族埋葬料が支給されることになっています。

請求の際には以下の書類などを用意して、共済組合に申請します。

・埋葬許可証もしくは火葬許可証の写し
・埋葬費用が確認できる領収書

また、葬祭補助金とは異なりますが、故人が勤めていた会社から弔慰金というものが支給される場合があります。

この弔慰金はお花の代金などとして受け取る香典とは異なり、故人の生前の働きを労うものとして支給されるもので、遺族からの請求は不要です。

弔慰金の有無は会社によって異なるため、一度確認してみると良いでしょう。

まとめ

葬儀の前後は何かと忙しく、精神的にはもちろん、肉体的にも色々と負担が生じることになります。

金銭的にも大きな出費を伴うことになるため、今回紹介した制度を利用することで少しでもその負担を和らげることができたら幸いです。